廃線跡めぐり

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Vol.6 福知山線 旧線   現役最終日以来18年ぶりに 〈2004/12〉

東海道線の尼崎と山陰線の福知山を結ぶ福知山線(通称宝塚線)は、大阪から山陰方面へのバイパスとして機能していましたが、現在では通勤圏の拡大により大阪寄りの区間では都市近郊区間の顔もあります。
その福知山線の生瀬-武田尾-道場間は国鉄時代、武庫川の渓谷に添って走る風光明媚な区間として有名でしたが、1986年7月に宝塚-新三田間の複線電化に備えた新線への切り替えで廃線となりました。

私はその現役最後の日を武田尾駅で迎えたのですが(「国鉄の思い出」のページ)、それ以来18年ぶりに一部が公園となった旧線跡を訪れ、武田尾駅から生瀬駅方向に向かって、思い出の写真を再現しながら歩いてみました。

1986/7/31

2004/12/26

旧武田尾駅前の橋上より

旧駅前の武庫川にかかる橋の上より宝塚方面を見た風景です。 季節の違いで草の茂り方が違うのと、線路の位置に木が生えてしまったので印象が違いますが、ほぼ同じ位置からです。 やはりその場に立つと、暑かったあの日を思い出してしまいます・・・。


旧武田尾駅付近

旧駅付近は、市営の駐車場になっていました。 奥に見える赤い鉄橋が現在線で、橋上が武田尾駅ホームです。

駅の宝塚方にあった鉄橋

見覚えのある鉄橋が残されていました。 階段を登り、この橋を渡ったところから、廃線跡のハイキングコースが始まります。



1986/7/31

2004/12/26

鉄橋の先より駅方向を振り返る

現役時代は「お立ち台」のような斜面があり、上り列車撮影の絶好のポイントでした。 ほぼ同じ位置に立ったつもりでしたが、もう少し高い位置でレンズも望遠寄りだったようです。 路盤が切り崩され新しい道路ができて、雰囲気がガラリと変わってしまいました。


武田尾駅−長尾山第3トンネル

この廃線跡は、全区間で枕木がそのまま残されています。 実際は「放置」なのでしょうが、廃線跡好きとしては雰囲気があって非常にうれしいです。 最初の写真で列車がいるのがちょうどこのあたりで、カーブの先には最初のトンネルが見えてきます。



1986/7/31

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長尾山第3トンネル

最終日には、ポータルの上にまで人がいっぱいだったトンネルを同じ位置から。 廃線後に路盤上に生えた木がこの大きさに育ってしまった事に、あれから経ってしまった年月の長さを感じます。



長尾山第3トンネル−第2武庫川橋梁

この最初のトンネルを抜けたあたりまでは宝塚市の整備した公園となっていますが、ここから先は本当の廃線跡です。 「ハイキングコース」として紹介されることもありますが、JR西日本も「整備はしていない。万が一の際も責任をとれない。」と宣言しており、ここからは自己責任で歩くことになります。
トンネルは長くて曲がっており、足元も瓦礫があるので懐中電灯とトレッキングシューズは必須装備でしょう。 10月の台風で枕木まで流されたようで、当日も結構ひどい足場の箇所もありました。




第2武庫川橋梁 付近

今回は生瀬駅に通り抜けるのではなく、クルマを置いた武田尾駅に戻るので、このあたりから引き返すことにしました。 第2武庫川橋梁はこの廃線跡のハイライトであり、保線作業用の通路を歩いて渡る事ができますが、足場は錆びた鉄板なので結構勇気がいります。 穴が開いたら、下の川に転落ですから・・・。



1986/7/31

2004/12/26


1986/7/31

2004/12/26

駅前の喫茶店で、あの看板に再会

歩き終えて旧武田尾駅付近に戻り、コーヒーでも飲もうと入ったお店で、偶然にもあの時の駅の看板に再会してしまいました。 駅舎入り口の上にあった木製看板はまさにそのものですし、ホームのホーロー看板も良く見ると傷や錆びの形から同じ個体だと判明しました。 最後にもまた、ちょっと感激でした・・・。



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