廃線跡めぐり

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Vol.1   北海道編 [1] 学生時代の思い出、北海道のローカル線跡へ 〈2003/8〉


学生時代、「乗り鉄」しながら買い集めた硬券入場券。既に過去帳入りしてしまった道内の駅。


1986年、国鉄の最晩年であり道内の廃線ラッシュが始まる直前に訪れた乗り歩きの思い出の路線は、現在の北海道の地図を見ると愕然とするほど無くなってしまいましたが、ドライブやツーリングの際にその形跡を見かける事も多く、一度ちゃんと見に行ってみたいと思っていました。
そこで2003年の夏、愛犬ゆずの散歩できる程度の所を検討し、乗った事の無い線区も含めて見て回ることにしました。 全線を追いかける事にはこだわらない、ツマミ食い的な訪問なのですが・・・。

三菱鉱業 大夕張鉄道 & 森林鉄道   清水沢−南大夕張−大夕張炭山   [1987/7/22 廃止]

私は乗車した事はありませんが、かつてはキューロクこと国鉄の9600型と同型の蒸機が活躍し、晩年はDL牽引のストーブ列車が走る道内唯一の私鉄として有名だった鉄道です。
沿線の多くの区間が近い将来巨大ダムの底に沈んでしまう運命にあるそうです。

南大夕張駅跡

駅舎は残っていませんが、ラッセル車「キ1号」、3軸ボギーの客車「スハニ36」などが、保存会の方々の手で大切に保存されています。

落石覆い  シューパロ湖駅跡付近

南大夕張から先のこの区間は、炭鉱閉山の1973年に廃止された区間です。 ちょうどシューパロ湖(ダム)の管理事務所の前にあります。


森林鉄道 夕張岳線  三弦橋(夕張岳線1号橋)

四角錘を並べて頂点をつないだ、珍しい形状の鉄橋です。 レールは無いそうですがほぼ完全な形で残っており、非常に美しいシルエットでした。 ダム管理事務所の駐車場から見ることができます。


森林鉄道 夕張岳線  2号橋

同じく駐車場からダムの対岸に見える2号橋です。 対岸には他にも数本の鉄橋を望むことができます。

旭沢橋梁  明石町駅跡付近

これも面白い形状の鉄橋で、「トラスド・ガーダー」という形式だそうです。



函館本線旧線   納内−神居古潭−近文   [1969/10/1 路線変更]

私が生まれる以前に複線電化を期に廃止となった区間ですが、この駅での蒸機列車とDC特急との交換シーンの写真などを見たことがあります。 日本でも有数の風光明媚な区間だったそうで、現在はサイクリングロードになっていますが、私が訪れたときはトンネル内が通行禁止になっていました。

神居古潭駅跡

上下線のホームもそのままに残され、駅舎もサイクリングロードの休憩所として明治時代の姿に復元されています。 構内には9600・D51・C57の3両の蒸気機関車も保存されており、神居古潭のすばらしい渓谷美と共に見所いっぱいの場所です。


神居古潭駅付近のトンネルポータル

納内方面に歩いてすぐの場所にあるトンネルです。 残念ながら通行禁止になっていましたが、レンガ造りで重厚なポータルは美しく、蒸機の煤煙の跡も残り思わず見とれてしまうほどです。

速度制限標も残るサイクリングロード

トンネル付近から駅方面を見たところ。 ポイント右分岐の場合は30km/h制限、トンネルとカーブの多いこの区間での蒸機の機関士の苦労が偲ばれます。



深名線   深川−名寄   [1995/9/4 廃止]

121.8km/hもある長大ローカル線でした。 雪深い朱鞠内付近を通り、代替道路もないため比較的最近まで存続していましたが、ついに思い出の路線になってしまいました。 まだ廃止より10年経っていないためか、当時の駅舎がそのまま残っている所も多かったです。 それが逆に寂しく見えたりするのですが。

鷹泊駅跡

本当に駅舎以外何もない場所になっています。 鉄道がなくなって人が去ったのか、人がいなくなって鉄道が廃れたのか分りませんが、鉄道ファンの私でさえここに路線と駅を維持するのは厳しいと思える土地です。

鷹泊駅跡付近  沼牛方向の築堤

鉄道線路跡以外の何物でもない、「いかにも」なRを描いて緩やかな勾配で森に向かっていく築堤。 ほとんど崩されて畑に変わっていますが、一部は残っています。 今にも森の間から、単行の気動車が現れそうな雰囲気です。


鷹泊跨線橋

跨線橋跡は、北海道をドライブしていると意識していなくても一番多く見かける、廃線跡の遺構です。 橋の下には、やはり「いかにも」な雰囲気を漂わした草むらが続いていました。

沼牛駅跡

ここも窓は板で塞がれていますが、当時のまま残っています。 ホーム跡もそのまま残り、線路跡は農道として使われているようです。 ちょうど隣のそば畑では、花が満開でした。


第3雨竜川橋梁  雨煙別−政和

塗装も比較的きれいで、転用しようとすれば充分可能だと思えるトラスとガーダーです。 国道から見えるのですが、知らない人が見れば普通に線路と併走しているようにしか見えない光景でした。



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