廃線跡めぐり

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Vol.26 国鉄 岩内線 〈2023/08〉

函館本線の小沢駅と港町岩内を結んでいた岩内線。
nyaponが初めて北海道内乗り歩いた1986年の前年、1985年7月に廃止されたため、残念ながら乗車したことはありません。 その後、クルマ旅の途中に小沢駅名物の「トンネル餅」を買い求めるために何度か立ち寄った際、線路の剥がされた旧岩内線ホームを眺めてきました。

しかし、2030年の北海道新幹線の札幌延伸に合わせて函館本線「山線」が廃止バス転換され、小沢駅自体が消えてしまうことが決定。 2023年夏、5年ぶりの北海道旅の途中、岩内でのキャンプの前に数少ない岩内線の遺構をめぐってみました。

函館本線の小沢駅。 写真の立ち位置が旧1番線で、岩内線の発着するホームでした。 まさか、ここから函館本線の線路も無くなってしまうことになろうとは、思いもしませんでした・・・。 国道に面した名物「トンネル餅」のお店も、残念ながら一足早く廃業してしましました。


古レールで組まれた味のある跨線橋の脇には、ここが国鉄岩内線の遺構であることを示す標柱が立っています。 駅舎は建て替えられていますが、旧1番線は一部崩れたり雑草に覆われたりしながらも、コンクリート製ホームが残っています。


幌似鉄道記念公園。 小沢から2駅目の幌似駅跡は、バイパス道路建設で位置が移動されているものの、公園として駅舎や備品が保存され車両も展示されています。 廃駅跡に多い施設ですが、ここまで奇麗に維持管理されているところは珍しく、駅舎や車両が解放されているのも嬉しいです。


駅舎の内外は奇麗に塗装し直され、色使いはともかく、大切に保存されていることが分かります。 事務所内の備品や運行機材、近隣駅の物を含めた掲示板などが保存され、廃止前最終日に運転された臨時快速列車のヘッドマークもありました。


道路工事のため移転したのでホームは再現されたものですが、屋外には駅名標や貨物上屋も。 線路上には客車(スハ43系)と貨車(有蓋緩急車・ワフ29500形)がやはり奇麗に塗装されて保存されており、車内も見学することができました。


終点岩内までの区間はバイパス道路の用地に転用され、岩内駅構内跡は、バスターミナル・道の駅・公園となっています。 「まったく遺構は残っていない」とのことで、ここまで鉄道が通っていたことの面影は「停車場通」の道路標識だけかと諦めていましたが・・・


公園の片隅にある樹木の根元に、ひっそりとたたずむダルマ転轍機を発見!
せめて周囲の風景から鉄道を感じようと歩いていた時だったので、驚いてしまいました。

場所や樹木への食い込み具合といい、塗装や錆の具合といい、「放置」に近い状態ではありますが、朽ち果てていないということは一旦はオブジェとして設置されたものでしょうか? 岩内線由来の物だとは思われるので、どこか良い場所に保存してもらえれば嬉しいのですが。



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